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視察②その4 ビエンカム周辺の生産者さんグループをめぐる

さばいでぃー!

さてさて、4日間の視察レポート最終回です。

 

5月28日

 

5月29日

 

5月29日ー5月30日

 

あちこち訪れてビエンチャン県のシン生産グループを見学する、なかなかハードなスケジュール。今日は30日の「バンビエンからビエンカム(任地)へ」、そして31日のPonhong郡の視察の様子を書いていきたいと思います。

 

 

5月30日 バンビエン市場

前回の記事に書いた「もりもりてんこもりバーガー」を食べた後、私たちはバンビエン郡の産業商業局へと向かい、局長と少しお話させていただきました。

 

そしてバンビエンで一番大きな市場に行き、ハンディクラフト製品やお土産の流通状況を調査。

 

こちらは「モン族」という山岳民族の刺繍です。(下の生地は機械織り)クロスステッチがあまりに細かくて「プリントしてあるんじゃないの?」と思ってしまいますが、全部手仕事です。

 

モン族の人たちの衣装も見つけました。綺麗な細工がついた帽子。この細工もどこかで手作りしているところがあるのかな。

 

 

この派手派手な帽子のクロスステッチも全部手縫い。もう、果てしないわ。本当に、すごいわ。

 

観光の中心部から若干外れるため、お土産物が置いてあるような雰囲気はなく、外国人観光客も見当たりませんでした。(午前中だから余計かもしれませんが)観光局にも話を聞いてみたいなあ。

 

帰り道に立ち寄った”魚の村”

ここはバンビエンとビエンカムの間にある「Taheua(タフア)」という村。大きなODOP商品生産グループがあり、この軒を連ねている店の殆どがODOP認証取得済みです。

 

ODOP商品としては、パデーク(魚醤のような、みそのようなもの)、ソムパー(魚のすっぱいハム)、干し魚や燻製、小魚を揚げたおやつなど、合計7種類が認証を受けています。

 

どのお店も同じように、干し魚・燻製が吊られ、発酵食品がテーブルに並んでいます。

 

「ジェオ」と呼ばれる調味料もたくさん種類がありました。ジェオは「辛み調味料」全般を指し、地域や家庭でそれぞれ色んな味があります。

 

タフアで見学させてもらって、このジャンルの食品に「外国人」が関わるのは、とても難しいと感じました。例えばこのソムパー、外国人向けにお土産にしてほしいと言われても、このままの状態では売ること自体が結構難しい。

 

現地の人向けに、といっても、例えば資材にお金をかけて見た目を綺麗にするにはコストがかかりますし、その「見た目」にコストがかかったものを、普段の食事として食べるラオスの人たちが選ぶのかどうか、と考えてしまいました。

 

食品、医薬品関係が多いビエンチャン県のODOP商品。バナナチップスやポテトチップスなどお土産にしやすいものもある一方で、本当に守っていきたい地域の味をODOP商品として出していくのはかなり難易度が高そうです。

 

この日はお昼すぎに私の家に着き、ほっと一息。往復500キロ弱の長旅は無事終了、翌日の近隣郡視察に向けて情報整理と、体力回復です。忘れないうちに、報告書も書き始めます。なんせたくさん回ったので、このテンションのまま書かないと中身が飛んでいきそう(笑)

 

5月31日 ポンホーン郡の生産者2グループをめぐる

まず初めに回ったのはチェンサワン村のシン生産グループ。約2800人の村人のうち160人がODOP認証を受けた織り手さんです。

 

こちらは3色とも自然の色。下から順に、藍、ラック、そして黄色いのは何かの木だと仰っていましたが、失念・・・。

ちょうど絣を織っている最中で、見せていただくことができました。

 

でました、手織りの絣です。この自然な艶感と柄、どれも手に取ると欲しくなってしまうものばかり。だめだだめだ。抑えろ抑えろ。

 

パービヤン(正装のときに身に付けるスカーフのようなもの)もこんなに鮮やか。金糸はどの村も輸入に頼っており、色は自然染めのものもあればきれいな色を出すために化学薬品をつかったものもあるそうです。

 

チェンサワン村では、村長さんとその奥様(シン生産グループを束ねている)、生産者さんなどたくさんのに招いていただいて、昼食をごちそうになりました。ラープもタケノコスープもポディー(丁度いい)な味加減で、もち米を蒸した主食「カオニャオ」がすすんですすんで・・・。ほんとにあぶない。

 

午後にお邪魔したチョンマニー村の生産グループは、「生産グループ」というよりもう、立派な立派な「会社」でした。織り場の中に所狭しと並べられた機織り機で織り上げられていくのは、金糸・銀糸をふんだんに使った、見たことも無いような美しい布ばかり。

 

織りの模様は今まで見た中で一番細かく、伝統衣装一式のセット(スカート、裾布、パービヤン、襟布)あわせて20万円を超えるものもあるんだそうです。それで買い手がつくほどの立派な会社、そして商品のクオリティ。すばらしいというか、すさまじいというか、とにかく普段見れない貴重なものを見せていただけました。視察というより、社会科見学でした。(笑)

 

ポンミー村の生産グループにもご挨拶

チョンマニーからの帰り、私はすでに何度か足を運んでいるポンミー村にも立ち寄りました。

 

いつお邪魔しても温かく迎えてくださるオーナーさんと、織り手さんたち。

 

私の配属先からも数キロで行けるところなので、活動先としては一番現実的。これから、モノづくりを楽しんでいけたらいいなー。

 

そしてこの日も、早めに夕食を終え、私は報告書や自分用のメモ、ブログの作成、そして同期隊員は商品作りで使うパーツをひたすら調べまくる、という有意義な時間を過ごしました。

 

まとめ:視察は同じ職種の人に同行してもらうの最高

そんなわけで、私たちの長い長い4日間の視察行脚、無事終了いたしました。その中で感じたのが、今後も視察はできれば同じような職種の人に同行してもらうのが良いということ。県や配属先は違っても、共通の課題や異なるバックグラウンドを持つJOCVの仲間に一緒に来てもらうことで、1回の視察で入ってくる情報量が2倍にも3倍にもなります。自分ひとりで訪問させてもらった第1回の視察よりも、圧倒的に有意義な時間でした。

 

 

今回同行願ったのは首都のホアイホンセンターに配属されている「デザイン」の職種の隊員ですが、私には無い視点からのフィードバックをこれでもかとくれました。

 

それに、レンタカー代や宿泊費も、1人増えたところで変わらないわけですし、そうであれば一緒に行かないと損だな、とも。

 

何より、自分は局の人や現地の人とのやりとりや調査票、撮影などのデータ集めに時間をつかってしまい、いっぱいいっぱいになる中、しっかりじっくり視察して情報を集め、アイデア出ししてもらえる存在が居るのは本当にありがたかったです。

 

遠いところありがとう!

 

そして翌日、小休憩 

その翌日の土曜日。隣の郡で活動している、唯一の同じ県の先輩隊員を尋ねました。同じナムグム川沿いですが私の任地よりも少し首都寄りで、乗り合いタクシーで行けば往復120円ぐらいで行けるところです。

 

こっちにきて何気に初めての「シンダート」をいただきました。空心菜、しそっぽい葉っぱ、名の知らぬハーブたちを鍋周辺の溝で茹でながら、真ん中の山になっている部分でお肉を焼いて食べるスタイルです。

 

カンボジアにも「カンボジアBBQ」と呼ばれる全く同じような食べ方の鍋料理がありますが、卵に絡めた肉をバターで焼いて食べてたイメージがあって、ラオスのシンダートのほうが「鍋」っぽいかも。こりこりとした食感の乳腺の部分が大変美味しく、付け合わせの軟骨の唐揚げもお持ち帰りしたいぐらい美味しかったです(笑)

 

こんだけ食べてひとり500円ぐらい。コスパ良すぎる~!バンクン、良き~~~~!

 

・・・と、病み上がりのアメーバアラサーは、視察と遊びで満喫し尽くした1週間を乗り越え、この翌日の日曜日は午前中泥のように眠り、その後鬼のように報告書を書いたのでした。

 

おまけ

今回の出張で私の家に連れて帰ってきた布たちをご紹介します。

 

青のシンに合わせて欲しいと思っていたパービヤン(スカーフ)。肩に斜めに掛けて使います。こちら初日に訪れたNapho村のもの。

 

同じNapho村のシン。柄が入っている部分が裾布、その上の赤い布が撒きスカートです。こういう暖色系がとにかく好きです、大好物です。これで4000円弱ぐらい。手縫いのシルクが、4000円弱です・・・。なんてこと。

 

そしてこちらはChensavang村のシン。普段履き用に。

 

日本に帰ったら着れなくなるから、今のうちに着たいもの買っていっぱい着るんだ~~~!!

 

って思ったあとに、日本でもラフに着れるデザインのシンを使った服を作れたら最高だなって思ったので、ホアイホンの同期に無茶ぶりしてみたいと思います。よろしく~!

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視察②その3 東南アジア最後の桃源郷バンビエンへ

さばいでぃー!

こんにちは、ラオスのラオ子です。

 

 

今日はこの記事の続きです。内容的に書けることが少ないので写真ばっかりになってしまいますが、ぼーっとスクロールして旅気分をお楽しみください!

 

 

さよならMaed郡

緑の外壁、赤い屋根と、ビビットOFビビットなゲストハウスを去り、我々ビエンチャン県ODOP探検隊一同はこれよりバンビエンへ向かいます。

 

 

GPSがちゃんと働かなかったので地図を見れず、BanTamからノーン郡までどっちの道で行ったか覚えていませんが、どっちかは大外れ(相当すごいみたい)で、どっちかは外れ(マシ)だそうです。カシ郡、ノーン郡、バンビエン郡を縦につっきっている道まで戻れば舗装されていますが、そこまでは車のサスも自分のサスもガタガタになって壊れるのではあるまいかというほどよく揺れ、よく跳ねます。

 

バンビエンはMaed郡に来る途中素通りしたところなので、一度通ったはずなんですが、やっぱりこの雄大な自然にはカメラを向けずにはいられません。

 

この切り立った山々、中国4000年の歴史感ある。中国行ったこと無いけど。

 

ハロン湾の山々にも似てますね!ハロン湾も行ったことないけど。

 

途中、賊に何度も囲まれながら、前日の大雨でぬかるんだ未舗装の道を50km引き返します。

 

神様や仙人が生活していても何ら違和感の無い、この大自然。自然と、「うわぁ~~~・・・」と声が出てしまいます。言葉にはならない。

 

「コミュニティ開発っていうぐらいだから、こういう山岳民族みたいな人たちと製品作りやるんだと思ってたわ~」と、モン族の村を抜けながら同期と話していましたが、こんなにも生活の難易度爆上がりしたら生きるのに精いっぱいで2年終わるわ、という結論に至りました。「大自然」のレベルが、私の知っているものではなかった・・・。

 

ラオスは内戦・ベトナム戦争などの被害を受けた歴史があり、その時にばら撒かれた不発弾処理に今もたくさんの方が尽力されている国です。それはつまり、未だその被害が起きているということ。早く100%クリーンな土地に戻りますようにと願いたい気持ちは変わりませんが、この山々を見てしまうと、それがどれほど果てしなく先の話なのかということを実感せざるを得ません。ラオスは8割が山。GoogleEarthで航空写真をご覧ください。本当に、国全体が、綺麗な緑色。

 

バンビエン着!

3時間以上がたがたと揺られ続け、ようやくたどり着きました!こちらがバンビエンです。さてこれから、その観光スポットを満喫すべくまずはレンタサイクルでブルーラグーンへ・・・!

 

というのは、観光で来たときの楽しみに取っておきます。4時前に到着したときにはひとつもテントが無かったのですが、少し部屋で休憩して外に出たら、夕方にはこの賑わい。

 

東南アジアを旅行されたことがある方はなんとなく既視感があるかもしれませんが、量産されているようなものはだいたい近隣国から入ってきている印象です。なにせラオスは、タイ、中国、ベトナム、カンボジア、ミャンマーの5か国に囲まれた内陸国。タイ、中国、ベトナムのように大量生産の基盤が整った国から流れてくるお土産はカンボジアでもラオスでもだいたい同じようなものになるんでしょうか。

 

せっかく素敵な手工芸が伝統として色濃く残っているのに、なんたる機会損失。と思ってしまいますが、大量生産すれば原価は安い。そして生活のためには稼がねばならぬ。

 

とはいっても、もっと”ラオス”のものが人の手で世界中を旅する未来があってほしいなあ。

 

写真がなんとも微妙ですが、こちらのカバンはラオスで手作りされたものだそうです。鞄じゃなくて、物入れにして部屋に置いておきたい。

 

ビンテージのシンを取り扱う布屋さんにもお話を伺うことが出来ました。外国人観光客向けのお土産を開発するのであれば、こういうお店の人からの情報はかなり大切です。

 

こちらはフアパン県サムヌア地方から来られた女性のお店。”サムヌア”はシンの一大生産地で、「織りといえば京都の西陣!」というぐらいのブランド力がある場所です。(いつか行ってみたい・・・)奥の方にかかっているのがサムヌアの織りです。綺麗すぎて触るのもためらう。

 

 

・・・という感じで、バンビエンのお土産屋さん巡りを終えました。(他にも色々まわりましたが割愛します。)

 

任地のハンディクラフト製品にはおしみなく生活費を使い還元しようと心に決め、Napho村ではお気に入りの色のシンを1枚購入したのですが、ここバンビエンでは素敵なシンに出会えなかったため、かわりにポーチを大量買いしてきました。

 

あら、ゆる~い刺繍でかわいい。

 

とかいうレベルじゃない、視点の定まらないネズミとがたがたな英語、

 

「I AM FAMOUS MANGO BOXER」と書かれたコンセプト不明のもの、

 

いや、オレンジじゃなくて桃やん、とつっこみたくなるハッピーな桃など、

 

たくさんのコンセプト迷子なゆるすぎポーチに出会ってしまい、ついつい8個も買ってしまいました。(同期も5個買った)

 

そして、重度のカフェイン中毒な私は、出張でコーヒーが飲めずカフェイン欠乏で頭痛がとまらなかったため、そのまま近くの病院(カフェ)へ。

 

ここで出てきたのが、普通の倍ぐらいあるんではないかと思われる大きなマグカップ!!同期は途中でギブ、私も1杯飲み切ったころには胃がムカムカ。ここに来る前に食べたロッティー(パンケーキみたいなもの)が胃に入っていなかったら、あやうく胃薬のお世話になるところでした。

 

ホテルに戻ったのが夜10時ごろ、そこから順番にシャワーを浴びて翌日の準備をして、日付が変わるころにはベッドに入ったのですが、二人ともカフェインで交感神経が刺激されつくしてハイになっていたため、全く眠れず。

 

買った商品や、視察で撮った写真を見返しながら、これからどんな形にしていくかのデザイン画を各々描いて見せあっているうちに、気づけば夜中2時。そこからは、なんとな~く浅い眠りにつけたような・・・ような。

 

5月30日朝 雨上がりのバンビエン

朝6時に起きてカフェ活しよう!と言っていたのですが、カーテンの向こうで雨がガラスにたたきつける音がしたのでそのまま二度寝。6時半ごろから国家やラジオ?が仰々しく鳴り始め、雨も小降りになってきたので、少し街中を散歩することに。

 

 

雨でしっとり濡れた橋の下には、昨晩より少し増水したナムソング川。

 

層雲に囲まれた山々とゆっくり流れるナムソング川、そして観光地と思えぬ静けさ。この独特の雰囲気、・・・大好物です。

 

この日は、郡の産業商業局局長へのご挨拶、タフア郡の魚製品生産グループ視察、グループ長への挨拶など、帰り道でいくつかの予定が入っていました。

 

腹が減っては戦は出来ぬ!と、30,000KIP(400円程度)のハンバーガーを朝から胃に叩き込むことに。

 

いやぁ・・・多すぎた・・・。完食も出来ませんでした。コーヒーは、近くのカフェでお持ち帰りしたのですが、ラオス南部のボラベン高原産のアラビカ種だそうです。ハンバーガーがきつすぎてコーヒーを味わう余裕はありませんでした(笑)

 

卵にパテにベーコンに、盛りだくさんのハンバーガー。バンビエンを訪れたら、朝食に是非お試しください!

 

続く

次回(で、まとまるかな・・・?)、バンビエンから任地への道中の視察レポートと、その翌日に行った近隣郡の生産者レポートをお送りします。