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商品開発第1弾『クラッチバッグ』のあれこれ。

さばいでぃー!

最近ずっと旅行のことばっかりで、活動について何も発信していませんでしたが、やっと一つ大きく動かせました。今日はその事について書いていきたいと思います。

 

 

ほんとはオークパンサーの事とか書きたかったんですけど、発信できるような情報量にならなかったので語学の鍛錬を積んで来年再チャレンジしたいと思います(笑)

 

「何を」作るか

日本では商品を売る立場で仕事をしてきて、目の前のものをお客様にどうやって販売するか、ということはたくさん考えてきましたが、商品開発に携わったのはカンボジアでの2年だけ。でもその間にお客様や会社から教わった事はとても多くて、今の私ではまだ全然消化しきれないような事ばかりです。

 

ラオスに来てからは、どこへ行ってもお土産屋さんを巡り、店内の商品を穴があくほど観察しました。「これだったらお金を出してでも買いたい」と、「私だったら買わないなぁ」は、ただ作って終わりにしないための、お客さん第1号となる自分の一番大切な声です。来た当初は殆どのものを見て後者だったのに、自分がものの無い環境に居るとハードルが低くなるのかなんなのか、あれも欲しいこれも欲しい、そして安いと思っていたものも「高い」と思うようになり、ターゲットとなるひと、もの、こと、それを判断していく自分をどこに置くかは難しいと感じています。

 

私には、表現者や作家として、それ自体に絶対的な価値を与えるようなものづくりができるような才能も知識もありません。デザインや縫製は私が教えてもらいたいぐらいだし、染色や織りについては、教えてもらうことすら大丈夫です、という感じです。布のことはどんどん好きになっていくけど、技術の面では全く明るくないのです。だから、そういうことは今まで何十年もやってきている村の人たちに任せることにしました。

 

だからこそ、「自分が使う側だったら」を考えて、何が欲しいか、どんなものだったら買いたいか、どんな人に贈りたいか、どんな物を貰ったら嬉しいか、たくさんシミュレーション。

 

そして「自分が売る側だったら」も考えて、どんな商品だったら、どんな価格だったら、どんな性質のものだったら、運びやすく、海外にも送りやすいか。そして、売りたい対象に、どんな風に説明できるものが売りやすいかも、考えて考えて、考えまくりました。

 

他方、生産者さんたちと関わるなかで、自分に手伝えることは何か、どんな商品作りの方法がこの村・この生産グループに合っているかというのも、単に「売れるモノをつくりたい」のとは違う、ODOP(一村一品)や地場産業そのものの発展のために、明確にしておくべき事項のひとつだと痛感したのです。

 

その中で、自分自身が感じた「あったらいいな」は次の3つでした。

 

ユニセックスな小物

圧倒的に足りないのはコレだと思いました。

 

ラオスの小物はどれも可愛い。アジアン雑貨好きの女子には間違いなくウケる。見てください、ウケすぎた結果の私の棚です。

 

ラオス小物でない貰い物が混ざってますが、それもあいまってカオス状態。

 

けれど、男性に贈るとなるとちょっと違う。可愛い刺繍、華やかな織り、意味の分からないぬいぐるみ、ピアス、ポーチ。私にとってはどれも宝物ですが、男性に贈るとなるとどれもピンとこない。男性向けのお土産もありますが、名刺入れやネクタイ、可愛いけれど、ビジネスユースには向かない。

 

それで思いついたのが、今回つくったクラッチバッグでした。クラッチバッグといっても、それだけを持ち歩くような類のものではなく、タブレットや書類、ステーショナリーなどをがさっと入れられるようなもの。これなら、布で、いける!

 

かさばらず、壊れない

ものの性質上、竹細工を外さざるをえず、まだまだ私のアイデア不足なのですが、布×竹は難しいし、竹オンリーになると更に難しい問題です。日本やタイの竹細工を見てしまうと、「私が旅行者だったらわざわざラオスで竹細工の既製品や竹かごのバッグを買うかなあ・・・。」と、現時点で自分の「ほしい」に繋げられません。(誰かアイデアくださーい!笑)

 

 

クラッチバッグはぺったんこ。バックパック背負って旅する人でも、安心して買えて、がさっとザックにつっこんでいけるもの。そんなイメージから、やっぱり竹は一旦おいといて布だけで商品を作ろうという考えに至りました。ただ、ビエンチャン県のODOPの生産者さんは竹細工だけで3グループ。いつか何か一緒にやりたいとはずっと思っています。・・・といいつつ現在、竹製のランチョンマットに自然のニスでコーティングしたものを作成依頼中。こちらも楽しみなんです。

 

さらに、日本からのEMSになにやらガムテープがしてあると思ったら、箱に穴を開けて中身を根こそぎ食わたところをしれっと隠蔽される、という途上国ならでは(?)の郵便事情を鑑みて、壊れやすくトラブルにつながりやすいものは極力避けたいと思いました。

 

村の伝統をデザインに

 

この村の生産者さんともそろそろ半年のお付き合い。村の伝統を、どうにかなんとかしたいという熱い気持ちをずっとそばで見てきました。お母さん(村の生産グループのリーダー)が一番大切にしたいという柄の布は、東南アジアに肥沃な大地をもたらすメコン川流域の「ナーガ信仰」からインスピレーションを受けたもの。

 

 

他にも、この村にしかない絣の模様や、バンビエンの紙布など、お母さんがかたちにしたい材料は山ほどありました。そしてお店には、以前訪れたメット郡のティンシン(裾布)の在庫もあり、うまく商品が売れれば、距離的に遠すぎて直接的な支援を諦めているメット郡とも連携していける。

 

www.laoko.net

 

そんなこんなで、ひとつの規格、製品を色んな布で使いまわせることも重要な条件のひとつとして考え、今回の商品開発に至りました。

 

縫製は、縫製が得意な人に

 

うちの生産者さんには、縫製が得意な人はいません。織りのプロばかりです。自分が作り方を覚えて誰かに教えて、作ってもらう・・・というのも考えましたが、それではあまりに遠回りで、きっと完成までにも時間がかかるし、品質を保つのにも相当の練習が要るだろうと思いました。

 

というわけで、お母さんの顔の広さと首都が近いという利点を大いに利用して、縫製は縫製のプロに任せることにしました。

 

完成まで何度かお願いしないといけないかなあ・・・と思いましたが、いっぱつでそれなりに良いものを仕上げてくれたので、任せて正解だったと思いました。

 

たくさん売れたら、良いミシン買って、良い縫子さん雇って、それで自社生産しようね。

 

お母さんの顔が光り輝いた

できあがった商品を見てすぐ、嬉々としてFBやTwitterにアップしました。

 

これは可愛いもんが出来上がったぞ、と。

 

 

「欲しい!」の声をたくさん頂いて、私はまた嬉しくなりました。男性からも要望をいただいて、「やった!!!!」とガッツポーズ。私自身、今はマネタイズできない立場ですし、『売れること(=お金が動くこと)』自体が嬉しいという感覚ではありません。どちらかといえば、自分たちが作ったものを通じてラオスのてしごとを発信できる事に対するものというか、私が志望理由書に書いた2年間の活動のテーマ「ラオスを世界へ」の第1歩を踏み出せるような気がする、そんな気持ちから湧いてくる嬉しさです。(今思ったらでかいこと書いたなぁオイ・・・。)

 

さらに、その中には「日本で置いてもらえる先があるので10個ほしい」というオーダーまで。ああ、ありがたや。皆さん本当にありがとうございます。同じ布で同じものを作り続けるのが難しい場所で、どんな風に今後売っていくかというのは大きな課題ですが、大量生産とは違う一点ものに「出会う」ことも含めて楽しんでいただけたらなあ・・・と思いながら、ここ最近で一番良質な睡眠を得ました。(笑)

 

翌日、朝いちばんに生産者さんのところを訪れて、追加のオーダーをお願いしてきました。

 

「お母さん、10個日本に送ってほしいって!ほかにも欲しいって言ってくれてる人が居るから、オーダーお願いできる?」

 

と私が伝えたときの彼女の眼の輝きは、今まで見た事がないものでした。JETROのカタログにも載り、日本国内でのギフトショーに出展したこともありますが、それでもお客さんを見つけるというのは簡単なことではありません。せめて誰か、日本語や英語でのやりとりができれば、と思いますが、この会社はそこまでにはまだ至っていません。「自分がここに居る間しかできないことをやるのは違う!」と、来た時は頑固おやじのように思っていましたが、自分が発信源になることで、ラオスのてしごとがここから広がっていくのであれば、この街に「外国人として」存在する意味になるのかなあと感じました。

 

お母さんは「売れたお金でミシン買ってうちで生産したいね!!」と言いましたが、「これ(首都でプロに縫ってもらったもの)と同じ品質じゃないと売れないよ!それは、ずっと先の話ね!モノ買うより先にトレーニングね!」と私もそこは譲らず。日本をはじめとする諸外国で研修を受けてきた彼女はすぐに納得してくれました。

 

こんなデザインも可愛いね、この布も使えないかな、なんて、今まで何にも加工されず眠っていた素敵な布がどんどん押し寄せてきて、それを「可愛いね」「いやコレは無いわ」と皆であれこれ話し合い、手引きのコットンを使った藍染の布や、この村の絣を使った、新しいデザインのポーチをまたいくつかお願いすることにしました。

 

合言葉は「ワイケーケー!」

使い心地も重視したいし、くたくたになるまで長く使ってもらいたい。だからこそ今こそ私たちに必要なのは日本の技術の結晶、それこそが富山が誇る日本の宝「YKK」のジップです。私が来るまでYKKを知らなかったお母さん、手工芸協会ネットワークで取り扱い元があっさり見つかり、すぐにワイケーケーを取り入れることになりました。

 

お隣ベトナムに工場がありますが、ラオス国内で使われているのを見ることは殆どありません。市内のお土産やさんですらほんの僅か。お母さん、時代はワイケーケーだよ、縫製技術とワイケーケーがあれば、クンナパープ(品質)ディー(良い)だよ。

 

「安かれ悪かれ」で薄利多売したくない。だからこそ原価を上げてでも「ໄວເກເກ」!このジップのことだけじゃなくて、それをアファメーションみたいに思って、「通常の10倍の価格のするジップをつける意味のあるもの」を作っていきたい。(これだと商品がYKKのバーターみたいだけど、それも、まあ、そうなの。)

 

早く売りたい

ただいま追加でオーダー中。デザイン、種類ともに、ちょっと増やしてみます。

 

大きさは以下の2種類。

 

1.A5が入るサイズ

 

2.A4の紙、タブレット・PCなどが入るサイズ

 

厚さは2種類。

 

1.布に裏地をあてただけのもの(本・ステーショナリー向け)

  B5ぴったりサイズ

 

2.布と裏地の間にスポンジを入れたもの(タブレット・PC向け)

 

柄は無限大。

 

1.紙布帯×コットン

 

 

2.ナーガ裾布×絣

 

 

3.ナーガ裾布×コットン

 

 

4.メット郡の裾布×絣

 

(これから首都に送って縫製してもらいます!!)

 

などなど…

 

各種類、色みも色々増えていく予定です!!

 

お楽しみに。

 

まだまだこれから。

https://www.instagram.com/p/B29lM5JpHFU/

#sunset#luangprabang #mekongriver

 

1年で自分が残せたものなんて本当に何もなくて、内容ぺらんぺらんの活動報告書や月イチで出してる配属先への報告書と、世界中で活躍する同期隊員や同国の先輩・後輩隊員の発信を見て、はぁぁああああああ・・・とため息つく日々ですが、

 

私、じぶんでFBで言ってました。

 

1年目でびたびたになるまで吸収して、

2年目でカスカスになるまで出し尽くして帰るぞ。

 

って。

 

だから、まだいいんや。焦ったらアカン。私は無給の活動やけど、相手は生活のかかった生産者さん。遊びじゃない。

 

と自分に言い聞かせて、頑張ります。

 

欲しい~!と言ってくださった方、本当に励みになってます、ありがとうございます!数が用意できましたらまた情報流していきますので、少々お待ちくださいっ。

 

直近で頑張ること

www.facebook.com

 

ラオスの首都ビエンチャンにて、手工芸品の国内最大規模の展示会が行われます。

 

私たち協力隊も3ブース借りて7県まとめて出店、デザイン隊員も配属先からブースを借りて出店予定です。ボリカムサイ、サイニャブリ、ウドムサイ、カムワン、ルアンパバーン、チャンパサック、ビエンチャン、そしてビエンチャン市のホアイホンセンター。各県から選りすぐった商品の数々、ぜひご覧ください!

 

私の県からは、クラッチバッグを一緒に作っている生産者さんの小物とシン、それから普段お目にかかることの少ない、地図にもちゃんと載ってないメット郡ナポー村、バイクで往復80キロの道のりを自分で選びに行ったポンホーン郡チェンサワン村、それぞれの「めちゃめちゃ綺麗な」布、持っていきます。

 

1年1回の大イベントなので、周辺国からも同期隊員が来てくれることになってます。同じ一村一品やマーケティング関係の隊員なので、情報交換ができるのも楽しみ。

 

日本に居てなかなか来れないという方、金曜日退勤したあとそのまま空港に向かって夜便で飛んで、土曜日の午後ITECCで買い漁って、日曜日の午後便で帰ったら、朝に日本に着いてそのままエクストリーム出社できますよ!!!もしくはバンコクに夜着けたら、寝台列車で寝てる間に国境に到着!あら、なんて簡単なんでしょう!!!

 

全世界からのお越しをお待ちしております!!!

 

ものつくり、たのしい、くるしい、でもやっぱりたのしい

 

 

ひとつ商品作ったぐらいで大げさだな、って思われるかもしれませんが、今の私にとっては大きな一歩。あーでもないこーでもない言って、やっと1本、道が見えてきたような気持ち。

 

デザインから製造、納品・販売までのオペレーション、きっとうまくいかないことも出てきます。でも、技術補完研修で講師の方がおっしゃっていた「コミュニティ開発に必要なのはしつこいぐらいのモニタリング」という言葉をしっかり噛みしめて、日々活動していきたいと思います。

 

調査と販売以外何も報告できていなかった配属先にも、やっとひとつ・・・ドヤ顔で報告できる任地での成果になるかな。

 

 

 

せっかく色んな県に同じ要請の隊員がいるんだから、色んな民族のいろんな布でやっていけたらと思っていて、どう水平展開していくかについても考えていきたい。ひとつのアイテムでSKUを増やしていくことで、手に取って下さる方の「選ぶ楽しさ」に繋げられますし、一つの商品に興味を持ってもらえたら色んな県の布でアソートにして納品できる&売るときも最小1列でディスプレイできる、と色々メリットがあると思うからです。

 

まだまだやりたい事がたくさんありますが、せっかくだから少しでも経験のある食品のパッケージ改善もやっていきたいので、こちらの「たのしい」を燃料にして、ハンディクラフトフェスティバルが終わった後は一次加工食品のブランディングも始めていきたいです。できるかな・・・、いや、やります!やるやる詐欺にならないように!!します!!!

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