さばいでぃー。
「きゃんせ!」が分かった人は私と同郷(のはず)!!
滋賀の湖北のことばで「おいでよ!」という意味です。
トゥクトゥク走ってない、外国料理のレストランもない、中国・韓国語の看板すら見当たらない、乳製品売ってない、ないないない・・・と普段「任地ないないアピール」をしまくっている私ですが、ついに、いつもお世話になっている某OBの方に「今まで行ったなかで1、2を争う僻地」と太鼓判をいただきました。ありがとうございます、光栄です!!!
そんなことばっかり言っている私ですが、たまには趣向を変えて「ビエンチャン県楽しいですよ~~~💛」という意見も推してみたいと思います。
ビエンチャン県ってどこ。
首都「ビエンチャン特別市」と混同されがちなビエンチャン県は、首都の北に位置する県で、県都は私が居るビエンカム郡にあり、サイニャブリ県、ルアンパバン県、タイとの国境、シェンクワン県、ボリカムサイ県にかこまれています。
県の中央には大きな「ナムグム湖」そしてそこに作られた「ナムグムダム」があり、ラオスの人たちの観光地になっています。ダムの北がわには1度行きたいと思っている「ナムグムダムリゾート」、そこから更に北上するとエコツーリズムの拠点「バンビエン」。首都ビエンチャンと地方都市ルアンパバンを結ぶ国道13号線が縦に走っています。はい、早口言葉みたいですね。言ってみましょう、ナムグム湖ナムグムダムナムグムリゾート。
私の任地「ビエンカム」
こちらは、私の家から徒歩10分ぐらいの景色。ナムグム川のゆったりした流れを眺められるお気に入りポイントです。(ただし高所恐怖症には辛い、橋の上)
この上流にナムグムダムがあるのは知っていたのですが、まだ行ったことがなかったので、他県から遊びに来てくれたみなさまと共に初ビエンチャン県観光!なかなか行く機会がなかったバンクンの塩工場、そしてクマが二足歩行すると有名な動物園にも、足を運んでみました。
ナムグム湖・ナムグムダム
大きなナムグム湖の西側に面している「ケオウドム郡」、マルベリー(桑)を使った商品がODOP認証を受けている町です。桑があるということは、養蚕も行われているということ。ケオウドム郡は養蚕が盛んに行われており、ここで紡がれた糸は県内、県外のシン生産者グループに買われていき、鮮やかに染められて、美しい布へと姿を変えます。
このナムグムダム、実は日本と大きなつながりがあります。
1958年、ラオスを訪れた日本工営の久保田豊がスパーヌウォンと面会した際に電力不足について相談を受け、ラオスが地形に恵まれ水も豊富なことから水力発電を行なうことを提案した[1]。久保田は自らメコン川流域を調査し、1964年には久保田自ら世界銀行に乗り込んで融資交渉を行なった[1]。この際には計画が過大であるとして融資を拒否されたが、タイ政府との交渉で余剰電力をタイ国内に売電する合意を取り付ける[1]。再交渉も一旦は頓挫したものの、その後も交渉を継続してアメリカ合衆国のほか、日本・オーストラリア・カナダなどから資金援助を受けることで計画が進められることになった[1]。
1968年に着工[1]。多数の日本企業がダム建設や送電網の建設などに関与した[1]。ラオス内戦で建設中のダム周辺はラオス王国とパテート・ラーオの勢力圏の境界となったが、スワンナ・プーマ首相により中立地帯に指定されて建設は続行された[1]。ダムは1971年12月に完成し、1972年から発電を開始[1]。当初は3万キロワットのタービン2基であったが、1975年には4万キロワットのタービン2基が追加され、1983年にも1基の追加が行われた[2]。
ラオス国内での電力需要の増加により、2006年以降は発電する全量を首都圏に供給するようになっている[3]。
ナムグムダム – Wikipediaより引用
ということで、「東南アジアのバッテリー」ともいわれるラオスでは次々と電源開発が行われていますが、このナムグム湖・ナムグムダムはラオスのなかでも古い歴史を持つ場所です。現在ラオスはたくさんの国の支援を受けてどんどんダムを建設していますが、このナムグムダムは、日本が支援し、そしてラオスに初めてできたダムだそうです。先人の方がた、おかげさまで、電気に困らない暮らしができています。本当にありがとうございます。
このダム湖で、クルージングしながらキンカオ(ごはんを食べること)が楽しめるということで、皆で行ってみることに!
食事を注文すると、お店の人たちが料理をつくってせっせとセッティングしてくれます。カオニャオ(蒸したもち米)のおかずになるようなラープ(肉や香草を混ぜたラオスの伝統料理)、空心菜炒め、大きな魚の塩焼き、チャーハン、そしてビアラオを積み込んで、いざ出発!
走り出すと、風がとっても気持ちいい。滋賀県民もびっくりのこの湖の大きさ、あとから調べてみたら福岡市と同じぐらいの面積がダム湖として使われているみたいです。
福岡市が340㎢、琵琶湖が670㎢。琵琶湖の半分の大きさを人工的に湖にするなんて、すごくないですか、滋賀のみなさん。
このダムに浮かぶ島の中には刑務所や麻薬中毒者の更生施設があります。皆が船の屋根の上から眺めを楽しんでいるあいだ、怖くて上まで行けなかった私は船を操縦してくれているおじさんに色々聞いてみました。
どの島が、悪い人が居る島なの?←「刑務所」がわからない
あれだよ!(指をさす)
え!めっちゃ近い!!!見学とかできないのかな??
悪いことしたら行けるよ。(笑)
おっちゃんは行ったことある?
行ってたらここに居ないよ(笑)
ですよね(笑) 陸と、あんまり遠くないね、大丈夫なの?
大丈夫、大丈夫。雨季になったらもっと水が増えるから!
そんな感じでいらぬ話をしてたらあっという間に陸に戻っちゃいました。にしても、観光地になっているところから本当に近かった。あんなに近くて大丈夫なのか。雨季になったらっていってたけど、乾季あるやん。乾季。そのゆるさが、・・・好き・・・。
ナムグムダムの放水は、この時期水量が足りず見れませんでしたが、かわりにこの長い管をつかって魚にエサやりしているところが見られました。近くの売店で売っているエサを、展望台に設置されているパイプに流し込むと、ナムグム川の大きな魚たちがばくばく。魚の名前、何と言ったかなあ。鯉みたいな大きい鱗の「ぱーぱー」と、黒いボロ布みたいな・・・やつがいました。(もう名前が出てこない)
この水が、冒頭の写真の私の任地までやってきて(といっても十数キロですが)、そしてメコン川へと流れていくんですねえ。
ナムグム湖の水かさが一番増すのは9月、10月。操縦士のおっちゃんもその時期がベストシーズンだと教えてくれました。ビエンチャン県観光をお考えの方、是非その時期にお越しください!
ビエンチャン動物園
水上船でランチを食べた後、先輩の配属先見学を経て、動物園へ!
なんと、県都ビエンカムとビエンチャン特別市の間にある「トゥラコム郡」には、ラオスで唯一の動物園があるのです。
入場料は、大人(ラオ人)10,000KIP、そして大人(ラオ人)15,000KIP。
うん、よくあるやつやけど、なんか悔しい!笑
さっそくチケットを買って、中へ!
日本のように「動物を間近で見る」タイプとは違い、広大な敷地で放し飼いにされている動物たちを遠くから眺めるような、ゆるっとした雰囲気。自由に、のほほんと暮らしている感じが良いです。狭い檻に居るより幸せそう。
ああ・・望遠レンズが必要だったなこれは・・・と思うほど、広い!今度はぜったい望遠持っていくぞと心に誓いながらシャッターを切りました。
ちゃんとエサあげてるのかな?そのへんの草食んでるだけでは・・・と思うぐらい自然にあふれた、「森」です。
色鮮やかなクジャクさんも居たりですとか。
ワニは、餌やりが楽しいらしいのですが、残念ながら売り切れていました。そうなると彼らは全く動きません。また次回のお楽しみに取っておこう。
動物さんたちから伝わるでしょうか、なんともいえない「ゆるっと」感。
一日中視線を浴び続けることもなければ、「おーい」と話しかけられたりもしなさそうな、森の中での暮らし。私も、動物園に来たというより、森林浴でもしにきたかのような感覚でした。
そしてこちら、二足歩行で立ち歩くと話題の熊さん。脱走しても誰も気づかなそうな広大な敷地に普通に張られただけのフェンス。その向こう側には、強い日差しに項垂れるやる気のなさそうな熊さんたちが、今にも溶けそうな感じでぐでんぐでんになっていました。
大人数名が「おおおーーーい!!」「歩いてーーー!!」「くまさーん!!」と必死になってるのがシュールでめちゃめちゃ面白かったです。
そして、「しゃーないな・・・ちょっとだけやで」という感じで、むくっと立ち上がってくれたのが彼。でも、歩いてはくれませんでした。
そしてこちら、せっかくここまで来てみんなで必死に応援(?)したのに、熊さんたちに総無視をくらって意気消沈した私たち。
バンクンの塩工場
「ビエンチャン県配属です」と言うとだいたい「塩工場」「動物園」が話題にのぼるのですが、なかなか機会が行く機会がありませんでした。今日はその両方に一気に訪問!というわけで、動物園の次は、念願の塩工場!
窓の向こうには純白の塩がどっさり積まれています。
後日配属先で「あの塩はODOP商品にならないの?」と尋ねましたが、申請さえすればODOP商品にするのは可能とのこと。え、ODOP商品にしようよ!!ねぇねぇ!!!なんでしないの!!!!!
天然塩というと広大な敷地の塩田を想像したくなりますが、こちらの工場は「平釜」という製法で精製しています。屋根の下に行くと、ぐつぐつと煮える海水からたちのぼる蒸気でもわっとしています。
ところで、ラオスは、ミャンマー、中国、ベトナム、カンボジア、タイに囲まれた海ナシ国です。何故「塩工場」がラオスにあるんでしょうか。
それは、昔むかしにラオスが海の底だったことが関係しています。
そのおかげで、このあたりの地下水は塩分を含んでいます。それをくみ上げて火にかけぐつぐつ煮込むことで、塩が出来るというわけ。
ということは、いつか枯渇するのかな??
試食させてもらうと、持った感じはふわっとしていて、しょりしょりした感じ。未精製のため、最初にしょっぱさがガツンとくる感じは無く、むしろ甘さや、まろやかさがふわっと広がります。
結晶化した塩はこのようにザルにあげて乾かしたあと別の部屋に運ばれ、乾燥させて、商品として売られていきます。
この1つのかごに80キロの塩が入っています。竹の棒を通して肩に担ぎ、別の部屋へと移動させて乾燥させます。前を担いでいるのはなんと女性。「手伝いましょうか」と言ったら「重いから無理だよ」と言われました。そうかも、確かにこれは無理かも。でもやってみたかったかも。次回。
ふわふわの塩。かわいい。
任地で自炊をはじめるとき、市場で探してこのバンクンのお塩を買いました。日本でもゲランドやアンデスの未精製塩を愛用していましたが、その理由は「ミネラルを多く含んでいるから」。私の持論ですが、「減塩」をするよりも、「良質な塩」を摂るようにするほうが体に優しいのではないかと思っています。量産されたようなお味噌で作った減塩味噌汁よりも、天日や平釜で作られたミネラル豊富なお塩を。外食やスナック菓子で質の悪い精製塩を摂らず、自炊して、味をつけたいものには味をつけて、しっかり塩分を摂る。それが体に良いと信じて生きてます。どうだろ。
ラオスには7社(?)の塩工場があるそうで、天日干しのところもあれば、このバンクンの塩工場のように平釜で精製しているところもあります。食べ比べ・・・してみたいなあ。塩にぎりにして、利き塩大会。やりませんか、誰か(笑)
ナムグム川を眺めながらシンダート
日が傾きかけたころ、川底から砂を採掘してる・・・というのはおいといて、夕日が綺麗なナムグム川の涼しい風に吹かれながら鍋パーティー。ホスピタリティ精神が爆発したシンダート屋のおばちゃんたちのおかげで最後まで楽しめました。おばちゃん・・・いえ、おねえさん!いつもありがとう!!!
ビエンチャン県の観光スポットまとめ
ということで、ナムグム湖、動物園、塩工場の3本立てでお送りしました。
朝に首都を出れば日帰りで3か所まわって帰れます!現地の交通事情がアレなので、ここまで乗り合いバンで来ると移動が困難なので、タクシーをチャーターして首都からくるのが一番良いと思います。日帰り社会科見学気分で、いかがでしょうか~!
「あ、バンビエンもビエンチャン県なんだ~!」と言われることが多いのですが、このラオスの有名観光地バンビエンも!!ビエンチャン県ですので!!!お忘れなく!!!!!!
私の任地ビエンカムもこういう記事が書ける観光資源があると信じて・・・任地生活を謳歌したいと思います。あってくれ~~!