さばいでぃー!
みなさんこんにちは、ラオスのラオ子です。
こちらの素晴らしい音声は聞いていただけましたでしょうか。
この音声のように、「こー・かい」 「こー・かい」 「こー・くわい」 「こー・ぐわ」という風に、子音のあとに短く分かり易い単語を覚えていくのがラオス風です。日本語で例えるなら、「あ・あり」「い・イカ」「う・うみ」 「え・えのぐ」みたいな感じですね。
今日は上の音声で単語と一緒に読まれている単語を紹介していきたいと思います。
人間の脳みそは、情報量が多いほど早くインプットされるようにできているそうです。ただこのブログを読むだけよりも、自分で書いてみる。音源を聞く。自分もそれを真似する。そしてまた書く。と言う風に、読んで、聴いて、喋って、書いて、とにかく五感の全てを使ってラオ語脳を作っていきましょう!
また、今まで順番に紹介してきた要素がここから全部必要になります。鬼ですね!
まとめはこちら。躓いたら復習!ラオ子が間違っていたら即連絡です!!
また、PCブラウザですとサイドバーにブログ全体の検索機能がありますので、うまく使いながら読み進めてください。
あんまり一度にたくさんやっても大変なので(私が)、半分に分けたいと思います!今日はその前半戦。頑張って参りましょう~!
アルファベット表の単語 前半戦
ໄກ່ にわとり
まずトップバッターはにわとりです。子音と母音に分けて見てみましょう。
<発音>
ກ (k) + ໄ (ay) = kay
子音 「 k 」 に、特別母音「 kay 」 がついて、 「 kay 」という言葉になっています。
次に声調を見ていきましょう。
音節の分類は、「その⑦」で取り扱ったばかりです。
<声調規則>
頭子音: ກ (k) → 中子音
まず頭子音は中子音です。この分類は「その①」の子音の紹介でやりましたね。
音節分類: ໄ (ay) → 平音節
音節は、平音節と促音節の2種類に分かれますが、末子音がなく母音子で終わっていますので平音節です。
声調: x່ → マイエーク
平音節の場合は、声調記号の種類によって声調規則が決まります。この場合「マイエーク」というまっすぐ横に伸ばす声調記号がついています。
よって声調規則は①中平調
ということになります。
ここから先は、ポイントになる部分だけ注釈を入れながら、どんどん紹介していきたいと思います。
ໄຂ່ たまご
<発音>
ຂ (kh) + ໄ (ay) = khay
<声調規則>
頭子音: ຂ (kh) → 高子音
音節分類: ໄ (ay) → 平音節
声調: x່ → マイエーク
よって声調規則は①中平調
ひとつめの「ໄກ່」と「ໄຂ່ 」の違いも聞き比べてみてくださいね。母音と声調はまったく一緒ですが、にわとりの子音は「k(中子音)」、卵は「kh(高子音)」です。
ຄວາຍ 水牛
<発音>
ຄວ (khuuw) + າ (aa) + ຍ (y) → khuuwaay
初めて二重子音が出てきました。二重子音といっても見かけ上のもので、実際は「ຄວ (khuuw)」という風に「uu」の音が入ります。
<声調規則>
頭子音: ຄ → 高子音
声調分類: ຍ (y) → 平音節
声調:なし
よって声調規則は⑤上昇調
ひとつまえの「ຂ」とおなじ「kh」ですが、こちらは低子音です。高子音より少し高めに発音されていますね。
ງົວ 牛
<発音>
ງ (ŋ) + xົວ (uua) → ŋuua
子音+二重母音の形です。
<声調規則>
頭子音: ງ (ŋ) → 低子音
声調分類: 二重母音 xົວ (uua) → 平音節
声調: なし
よって声調規則は④中高音
この二重母音は、 表記上は「ŋuua」ですが、実際は「ŋuuwa」と最後のaの前に少しwの音がひっかかります。
ຈອກ コップ
<発音>
ຈ (c) + xໍ (ᴐᴐ) + ກ (k) → cᴐᴐk
末子音がついたため、母音の形が変化して「xໍ」→「xອx」の形になっています。
(「ຈໍກ」と書くのは誤りです。)
何のことだ?!と思った方はこちらで復習してください。
→ラオ語読み書き講座 その⑤末子音と母音の変化 – ラオスのラオ子。
<声調規則>
頭子音: ຈ (c) → 中子音
声調分類: ກ (k) → 促音節
ここで初めて促音節が出てきました。促音節は「~っ」で終わる音節で、ກ ດ ບ の末子音や、短母音で終わるものが含まれます。
母音: xໍ (ᴐᴐ) → 長母音
平音節の場合は声調記号の有無で声調規則が決まっていましたが、促音節の場合は母音が短母音化長母音かによって決まります。
よって声調規則は②低降調
ということになります。ちなみに中子音、促音節、短母音の場合だと④中高調なので発音が変わりますよ。
ເສືອ トラ
<発音>
ສ (s) + ເxືອ (ɯɯa) → sɯɯa
<声調規則>
頭子音: ສ (s) → 高子音
声調分類: ເxືອ (ɯɯa) → 平音節
声調:なし
よって声調規則は⑤上昇調
ຊ້າງ 象
<発音>
ຊ (s) + xາ (aa) + ງ(ŋ) + x້
<声調規則>
頭子音: ຊ (s) → 低子音
声調分類: ງ(ŋ) → 平音節
声調: x້ → マイトー
よって声調規則は③下降調
「ぞうさーん!(ぞう・ຊ້າງ)」と覚えました。個人的な話です。
ຍຸງ 蚊
<発音>
ຍ (ŋ) + xຸ (u) + ງ (ŋ) → ŋuŋ
<声調規則>
頭子音: ຍ (ŋ) → 低子音
声調分類: ງ (ŋ) → 平音節
声調: なし
よって声調規則は④中高調
ເດັກ こども
<発音>
ດ (d) + ເxະ (e) + ກ (k) → dek
ຈອກに続いて、母音の形が変わります。元の形が「ເxະ」なのですが、末子音がつく場合、その手前の短母音の「ະ」は、もう一つ前の子音の上にのっかって「xັ」という形に変わります。つまりこの場合、「ເxັx」という形に変わります。
<声調規則>
頭子音: ດ (d) → 中子音
声調分類: ກ (k) → 促音節
母音: 短母音
よって声調規則は④中高調
最後の「k」の末子音が聴こえますか??発音の練習をするときも「デック」と言い切るのではなく、クを言いたい気持ちと顔のまま静止してくださいね。
ຕາ 目
<発音>
ຕ (t) + າ (aa) → taa
<声調規則>
頭子音: ຕ (t) → 中子音
声調分類: າ (aa) → 平音節
声調:なし
よって声調規則は⑤上昇調
ຖົງ 袋
<発音>
ຖ (th) + ໂxະ (o) + ງ (ŋ) → thoŋ
「ໂxະ」は、末子音がつくことで「xົx」という形に変わります。
<声調規則>
頭子音: ຖ (th) → 高子音
声調分類: ງ (ŋ) → 平音節
声調:なし
よって声調規則は⑤上昇調
ທຸງ 旗
<発音>
ທ (th) + ຸ (u) + ງ (ŋ) → thuŋ
<声調規則>
頭子音: ທ (th) → 低子音
声調分類: ງ (ŋ) → 平音節
声調:なし
よって声調規則は④中高調
ນົກ 鳥
<発音>
ນ (n) + ໂxະ (o) + ກ (k) → nok
「ໂxະ」は、末子音がつくことで「xົx」という形に変わります。
<声調規則>
頭子音: ນ (n) → 低子音
声調分類: ກ (k) → 促音節
母音:短母音
よって声調規則は①中平調
前半戦おわりです
いかがでしたでしょうか。ただでさえ多い子音と母音と組み合わせによる変化、そしてそれぞれがもつ要素での条件分岐で決まる声調・・・と、慣れるまでは大変ですね。
しかし!ラオ語はABCのアルファベットではないぶん慣れるまでが苦しいですが、動詞の変化や名詞の性別、冠詞の変化など、印欧語族など他の地域の言語に見られるような複雑な変化のない言語です。やったー!!!
単語だけを覚えるのではなく、どの種類の子音にどんな母音がくっついているか、末子音によて母音がどんな形に変化するか、それらが組み合わさってできた1音節はどんな声調になるか、そして実際どんな音なのか、というところまで意識しながら、読んで書いて、聴いて発音して、を繰り返しましょう!
それではまた後半戦でお会いしましょう。