さばいでぃー!
みなさん、こんにちは!働くこともなければ、久しぶりの友達に会うこともない、正真正銘の「おうち時間」が板についてきました、ラオスのラオ子です。
先月の今日はまだ先輩隊員のお見送りで首都に居たはずなんですけれど、もうその頃には一時退避が決まっていたんだと思うと不思議な気持ちです。家から出なさすぎて、時間の経過が全く感じられません。うちから山手のドン付きの集落まで往復4kmぐらいなのですが、軽くジョギングしただけなのに太ももが外れそうなぐらい痛いです。運動しよ。
家の中では「HIITトレーニング」ってやつをたまにやるのですが、これも10年前の二足歩行ロボットみたいになるので、ぜひ運動不足を解消したい方はやってみてくださいね!ナイスぅ~~~!
そろそろラオ語の話をしよう!前回の「子音文字の発音」、いかがでしたでしょうか。ボリュームを多くして更新速度を落としじっくり時間を取ってもらうか、細切れにして順々にアップするか、迷ったのですが・・・
迷ってるうちにゾーンに入ってしまい、いっぱい書いてそのままボンとあげてしまいました!(笑) おかげさまで、「ボリューム多すぎて全然覚えられない」とのご意見をいただきました。そりゃそうですよね。私もそう思います。反省。
今日は前回に続き、今日は母音文字の発音を練習していきましょう。
子音は、「声調」という日本語に無い概念を理解する必要があるので、きっとたくさんの方が「何のことかさっぱりわからんわ」と思われたのではないかと思います。ですが、皆さん!喜んでください!!母音には!!声調は関係ありません!やったー!!!
母音の概要
さあさあ、27個の子音もあんまり頭に入っていないのに、今日は更に18個の母音符号を詰め込みますよ!母音は、子音の前後左右のどこかに付きます。子音を挟んで左右両方につく場合もあります。こちらも最初は覚えるのに苦労しますが、とりあえず「どういうものか理解」してもらえれば、単語をやっていくうちに慣れると思うので、気を楽にして勉強してくださいね!
母音には、
基本母音
二重母音
特別母音
の3種類がありますが、今日はその中の「基本母音」だけを説明していきます。
ラオ語の基本母音は、大きく分けて2種類あります。まずひとつは、「短母音」。そしてもうひとつは「長母音」です。読んで字のごとく、短母音は短く発音する母音、長母音は長く発音する母音です。(母音は赤字で示しています)
Xະ /a/ あ
Xາ /aa/ あー
『X』の部分には、何らかの子音が入ります。例えば、子音の一番最初に出てくる「ກ /k/」の音が入ったら、
ກະ /ka/ か
ກາ /kaa/ かー
となります。
短母音と長母音は、文字においても、実際の発音においても、明確に区別されます。同じ「a」であっても、「a」「aa」では全く意味の異なる言葉になりますので、しっかり覚えていきましょう!
基本母音
ラオ語の基本母音は、全部で18種類あります。そのうち、「あ」と「あー」のように短母音と長母音で同じ発音をするものをまとめると、9種類になります。前回同様、東京外大のモジュールの母音の章で実際の音声を聞きながら説明を見てもらうと分かり易いと思います。
もしくは、こちらのYoutubeをご覧ください!今日は、この動画の冒頭から52秒までの基本母音を勉強します。その後に出てくるものは、見なかったことにしておいてください。
※左側が短母音、右側が長母音です。
a – aa
日本語と同じ「あ」「あー」ですが、意識せず発音すると後で出てくる「ᵊ」のように聞こえてしまうので注意が必要です。
i – ii
日本語と同じ「い」「いー」です。しっかりと唇を横に開いて発音しましょう。
u-uu
舌を奥にひっこめて、口を狭めて突き出した、深い「う」「うー」です。
ɯ – ɯɯ
こちらは「い」の口の形で「う」「うー」と発音する、日本語には無い浅い「う」の音です。音源を聞いて耳で覚えてくださいね。
にっこり笑って「いー」と発音した口の形のまま「うー」と言うとうまくいきます。舌だけがすこし奥にひっこむ感じですが、ひとつ上の深い「う」ほどは引っ込みません。ちょうどその中間のイメージです。
e – ee
日本語の「え」「えー」よりも口を狭めて「い」に近い形のまま発音します。「いー」の口の形のまま、ちょっとだけ前歯を開けて「えー」と発音するイメージです。舌は後ろにひっこみません。
ᵋ – ᵋᵋ
発音記号が見づらくてすみません。
こちらも「え」「えー」ですが、口を縦に開けて「あー」の形のまま舌をべーっと前に出して、「えー」と発音してください。
ᵒ – ᵒᵒ
「お」「おー」です。口をすぼめて「うー」の形のまま発音した、深い「おー」です。
ᵓ – ᵓᵓ
こちらも「お」「おー」ですが、口を「あー」の形に近づけて、うがいする時の感じで「おー」と発音します。
ᵊ – ᵊᵊ
最後です!
「う」「うー」ですが、「あ」と「う」の間の音です。 明るい「あ」を発音するときの口の形のまま「う」を発音するとうまくいきます。
休憩がてらご覧ください、こちらサイニャブリ県で2月下旬に行われる「ゾウ祭」のパレードに出現した「ピー(精霊/おばけ)」です。何を隠そう私はラオスのピーが大好きです。(お化けは嫌いです)ルアンパバーンのナイトマーケットのピーも大好きですが、50の民族がそれぞれ大切にしている多様な精霊信仰は、ご先祖様のデフォルメだったり、日本の八百万の神のように自然のなかにあるものの偶像だったり、いろんなピーが居ます。日本でいうと最近話題になっている「アマビエ」みたいなものでしょうか。動きが怖いのとか、妙にリアルなのとか、人間が生み出したものなだけにどこか人間らしさや愛らしさがあって、それがまた良い味を出しているのです。ラオ語がめちゃめちゃ上達したら、各民族のピーだけをひたすら集めただけの辞典みたいなものを・・・誰か作って下さい!!!
さて!さてさて!!!これで基本母音の18個の紹介が全て終わりました。
いかがでしたでしょうか?個人的には子音27個に比べればとってもマイルドな気がしますが、初めましてな方には「覚えることばっかりやないか・・・」と退屈な時間が続いて申し訳ないです。あと倍ぐらいありますので、適当に美味しいもの食べながら頑張りましょう!
ラオ語の読み書きを早く習得するポイント
私の訓練生時代の話です。各国に派遣される前に、隊員候補生として訓練所に入所するのですが、その時受けたガイダンスのなかで語学習得のために『必ず守ってほしい』と言われたことがあります。それは・・・
訓練言語に振り仮名を振らないこと。
上の説明で「あいうえお」使っとるやないかーい!と思われたかもしれませんが、あくまで音の説明のために使っただけなので、「あいうえお」のどれかにあてはめて覚えるのは禁止です!
そんなこと言われても、このフニャフニャした文字、すぐ読めるわけないやん!!・・・と、言われたときは思ったのですが、確かに、振り仮名を振ってしまうといつまで経ってもこのフニャフニャを「文字」として認識できないんですよね。
そして理由はもうひとつ。基本母音18個の要点を見ていただいたら分かるように、日本語の「あいうえお」だけでは表現できない音がたくさんあります。無理やりカタカナに置き換えて書いてしまうと、結局日本語の発音でしか覚えられないため、いつまでたっても正しい発音で読めるようになりません。
そのために私がやったのは以下の2つ。
①単語カードを使ってひたすら覚える
めくった瞬間に発音できるようになるまで、ひたすら繰り返します。ずっと同じ順番で発音練習をしても「文字」と「音」をセットで覚えられないので、ランダムに文字を見て発音する練習をしましょう。
②音読筆写
Youtubeや東京外大モジュールで正しい発音を確かめながら、自分でも実際に発音して、そして書きまくる。やっぱりこれが一番です。情報は色んな形で入ってくるほど頭のなかで強く結びついて定着しやすくなるそうなので、手と目と耳と口と、いっぺんに使って覚えましょう。
ラオ語よりも更にアルファベットが複雑なクメール語のクラスに居た同期隊員は、アルファベットをひたすら順番に書いていき、躓いたらまた新しい紙にイチから書いていく、というスパルタのような方法で、すぐに文字を暗記していました。確かに、それが一番、”ガチ”になるかもしれない・・・と思ったのですが、私にはやる勇気がありませんでした。とはいっても、訓練期間はたったの70日。入所数日後から単語や文法がすぐに始まるので、文字が覚えられなくては次に進めないどころか、皆に置いて行かれて焦りと不安の中でぐるぐるし続ける、地獄の日々が始まります。
というわけで、勉強法をこうやって書いていると頑張ったちゃんアピールみたいに見えるかもしれませんが、本当にこれぐらいやらんと覚えられなかったのです・・・(笑)
これを読んでくださっている方は、自分が「楽しい」と思えるペースで、ラオスについての本を読んで想像を膨らませながら、トライしてみてください!
今日の講座、終了です!
次回、「二重母音」です!今日よりもかなり少ないボリュームですので、もしかしたらその次の「特別母音」もまとめるかもしれません。
ラオ子は一体ラオスで何をしていたんだろう??と協力隊のことにも興味を持ってくださる方がいらっしゃれば、ぜひ下のブログもご覧くださいー。
ではまた!