さばいでぃー!
こんにちは、ラオスのラオ子です。
雨季なのに全然雨が降らず、カオパンサー終わったのに田植えができない~~~!と嘆く同僚たちと一緒にキンソムしながら、気になりながらなかなか聞く機会がなかった話し言葉や方言について聞いてみました。
他県の人にビエンチャン県で仕事していると言うと「コープチャイエッエッ!!って言うんでしょ?」みたいな感じで聞かれることがあるのですが、これは北部だけみたいで、普段生活していても聞くことはありません。
そのかわり、「ゆーしどぅ?」「ぱいしどぅ?」という教科書にのっていない疑問文を職場でたびたび耳にします。これ実は「ゆーさい?(どこ?)」「ぱいさい?」のビエンチャン県の方言だそうで、しかも私の任地あたりだけなんだと教えてもらいました。わ、なんか嬉しい。調子にのって使っていこう。ゆーしどぅ~~~~???
- さばいでぃー!
- 久しぶりの視察!初のXanakhan(サナカーン)郡へ!
- Xanakhan郡ってこんなとこ
- まずは郡事務所へ
- 揚げバナナ・干しバナナ生産グループ
- ラオス伝統医療薬品生産グループ
- 考察
- おまけ
- まとめ
久しぶりの視察!初のXanakhan(サナカーン)郡へ!
ピン打つ場所があまりになかったので・・・こちら今回私が泊まったゲストハウス、1泊120,000KIPでした。
ビエンチャン県はびよーんと縦に長いのですが、サナカーンはその左下のほうにあります。ルアンパバーンのほうから縦に流れているメコン川はサイニャブリ県とビエンチャン県の県境にあたりますが、その後東にぱきっと折れてからはタイとラオスの国境を分かつ役割を果たしています。日本には無い陸続きの国境、面白いですね。
私の任地からは、国道13号線を北上し、山が途切れたところのT字路を左折してひたすら南下、途中細い道(GoogleMapではすこし道がなくなる笑)でショートカットして、メコン川沿いを西に進むとサナカーンに到着です。片道約4時間、200キロの道のりです。そのうち100キロぐらいは未舗装でした。
前回のMaed郡を訪れたときよりも路面状態はマイルドでしたが、それでも距離が長いので、首から腰まで、ばっきばきになりました。
途中の橋も、こんな感じ。今にもガラガラと崩れ落ちそうですが、橋の欄干には「18t」の表示。ほんまかいな。
Xanakhan郡ってこんなとこ
先ほども申し上げましたが、サナカーン郡南部にはメコン川が流れており、この写真の向こう岸はタイです。これは首都ビエンチャンも同じですが、首都ビエンチャンの場合は向こう側のノーンカーイも賑わっていて(というか首都ビエンチャンより発展しているという情報)、夜景なんかも綺麗だったりします。ここはご覧の通り。こっちもソンナボ(田舎)、あっちもソンナボ。
ほんとだったら、7月にこんなところ歩けないのよ!と同僚。今年は本当に雨が降らないんだそうです。
ビエンチャン県11郡の中で、サナカーン郡に行く途中の郡だけがまだODOP認証を受けておらず、それも一つの課題だと話していました。
サナカーン郡はバナナやキャッサバ、パイナップル、タマリンドなどの栽培が盛んで、ODOP商品もそれらを使ったものだそうです。わくわく。
まずは郡事務所へ
ODOP(一村一品運動)は、政府→各県省庁→郡事務所→生産者という風に繋がっていて、私たちが生産者さんを訪問するには事前に郡事務所にレターを出し、当日も同行してもらうことが必要になります。
まずは郡事務所の所長に挨拶して、同行してくれる郡事務所職員の方に調査の内容や予定を説明(カウンターパートが)。
郡事務所所長からは、どの郡に行ってもだいたい同じですが「デザインに問題があるから改善してほしい」との要望をいただきました。
揚げバナナ・干しバナナ生産グループ
到着してグループ長が来られるまでの間に、できたての干しバナナを出してくださいました。
太陽の光をいっぱいに浴びた干しバナナ。そのままだと食べられない種類の固いバナナですが、ビニールハウスの中でじっくりと太陽光で熱されることで甘みが増してねっとりとした食感になります。
こちらはバナナチップスになる前のバナナとバター(のようなもの?)と砂糖。材料はこの3つだけ。バナナは加熱用の品種なので、スライサーにかけても形は崩れずきれいなまま。
かまどに生木をくべて豪快に揚げていきます。作業場は屋外なので、とても暑い。でも、バナナの甘くていい香りが入り口のほうまで漂ってきました。
中の水分が飛びきるまで、まんべんなくかき混ぜながらしっかり揚げていきます。なんせ火力が強いので、暑い。そして、甘い匂いが充満して、もわっと、暑い。
そしてこちらが出来上がったバナナチップス。表面はキャラメリゼされたように糖分でコーティングされていて、ザルを振ったらカラカラと軽い音がします。普通のバナナチップスより少し厚めに揚げてあるので、食感はカリッ、ぼりぼり。という感じ。できたての美味しさはきっと忘れられません。
この生産グループは郡内3か所に作業所を持っていて、全部をとりまとめてひとつの団体としてODOP認証を受けています。この生産グループは揚げた果物などを中心に7品目のODOP認証を受けていて、ちょっと系統の異なるパイナップルやタマリンドのヂェオの作業所も見せていただきました。ヂェオは本来、辛い味噌のような調味料が多いのですが、このヂェオは果物を8時間機械で混ぜながら加熱し続けて作ったジャムのようなもの。カオニャオ(蒸した糯米)やカオチー(フランスパン)につけて食べます。甘いごはん、日本でいうおはぎみたいな感覚でしょうか。
他にも、さつま芋やタロイモのチップス、長く切ったバナナのバナナチップスなどがあります。この真っ黄色なのはさつまいも。どれも美味しかったですが、私はやっぱり輪切りのバナナチップスが一番好きでした。
ラオス伝統医療薬品生産グループ
午後からは、ラオスに伝わる伝統医療のお薬を作る生産グループを訪問しました。
伝統療法士は、本来は精霊信仰やシャーマニズムと強く結びついたものですが、ここのグループ長に聞いてみたところ「祖父母はそうだったが私は治療そのものにはあまり興味が無い、薬を売りたい」とのことでした。時代は変わっているようです。
ラオ語の難しいところは、とにかく単語が少なくて「言葉をくっつけてつくった言葉」が多いところなんですが、登録販売者としては成分というか、配合されている薬草や油が非常に気になる。ということで、とりあえず全部グーグル翻訳にかけてみました。
それによると、原料は、
ブレンドオイル、換気、痙攣、植物油、サイズ、ドリアングレービー、蜂
だそうです。
いや、ほんま、なんの事・・・。
職場に置き去りにした辞書で後日改めて調べてみたいと思います。
このお薬は、皮膚病全般によく効くとのこと。「ラオ子はいつでも蚊に刺されてるからちょうどいいわね!」と同僚に言われました。よく見てんなあ。虫刺され、アレルギー、にきびなど、痒みを伴うぶつぶつに効果があるそうです。
なおこの生産者グループは家族3~4人で細々とやっていて、このキャップをはめる作業や梱包は子どもや孫が手伝っているそうです。この日も子どもたちがチップ&デールを見ながら黙々とキャップはめをしていました。
考察
やはり日本人の私が行くと、「日本に輸出してほしい」というリクエストが圧倒的に多く聞かれますが、日本への輸出には食品衛生法や薬事法など大変ややこしい法律が絡むこと、それをクリアするのに莫大なお金がかかること、それでも利益を出すのには太い売り先が必要なこと、また一度にまとまった量を送らなければならないこと、そうなるともちろんリスクが伴うことなどなど・・・については、知識がありません。私もありません!
事務所職員、生産者に共通して聞かれるもう一つの要望が、パッケージングやデザインの改善です。どの生産者グループも「クンナパープ(品質)ディー(良い)」、自分たちの商品は品質は良いんだと主張しますが、まずクンナパープ=原材料ではないという大前提を理解して、衛生管理や期限管理が徹底されて安心して口に入れられる、規格が統一されている、などをクリアして初めてクンナパープがディーになる、そのために利益を設備投資にまわすことも必要なのだということを学んでもらう必要があるのではないかと思いました。それから、原材料についても、「まーてーたんまさーと(直訳=自然からきたもの)だからオーガニックだ」という認識ですが、「もし外国に向けて本当に売ろうと思っているなら、”オーガニック認証”もめちゃめちゃ高いし認証を受けないとオーガニックをうたえないから、それを売りにするのは難しいんだよ~」というところについても、話をする必要があると思います。(ここはまだ職場で話せていないのでまったくの私の妄想です。今まで中小企業向けにこういったセミナーがあったのか等は今後聞き取りが必要。)
「パッケージを改良して!」「良いデザインにして!」とリクエストをもらいましたが、ひとまず自分が持っていたいくつかの海外製のお菓子を取り出し、どれも賞味期限が明記されていることを説明しました。「外国に売りたいなら外国の規格に合わせないといけないですよね」というと、「だよねーーー・・・」というようなリアクション。分かってはいるけど、やっていないという感じです。
「私もパッケージデザインを手伝えるように頑張るから、どうやったら賞味期限管理をできるか、安心して口に運べるものが作れるか、みんなも考えてみてください」と約束して帰りました。たくさんの人が自分の生産グループの商品をよくしたいと思っていて、そこに入り込んで改善していくのももちろん活動の一つになりえますが、行政で活動していることを活かして勉強会やワークショップをしていければなあ・・・と思いました。これも妄想。
パッケージ改善に関しては、乾燥材を一緒に封入する、ホッチキスどめをやめてシーラーで閉る、閉じた部分はビニタイや麻紐で巻き込んで留めてお土産感を出す、ぐらいならあんまりコストをかけずにできるのかなあと。あとはパッケージに貼るシールが分厚く印刷も結構ざらざら(データがそうなのか、プリンターがそうなのか・・・)なのもとっても気になるので、なんとかならないかなあと思っています。普通の印刷用紙もごっついんだよなあ・・・。手に入らないのかなあ。
と色々言ってみましたが全部理想で、導入するのに、お金が・・・かかるんだよなあ。それから、配属先の人たちにどうやって話をもっていくか。困った困った。どうしようかなあ。
おまけ
ちょっとまじめに考えすぎてお腹がすいちゃいました。サナカーンで食べたものをご紹介します。
まずこちら、豚の血がたっぷり入ったフォー。味は普通の豚の血のフォーでした。
こちらは「カオプンホーン」というサナカーンの郷土料理だそうです。皿に敷かれているタレはパデーク(魚醤)。生のパデークはとっても危険ですが、こちらは火を通したあとのもの。私は、パデークが入ったものは一応毎回「生じゃないよね?」と確認するようにしています。それでもアメーバになるから本当におもしろい。
同僚の親戚が出してくれたゼリー。
ごめんなさい、合成着色料は食べられないの・・・って思ったけどこの鮮やかな青は、そう、バタフライピーというマメ科の植物の花。ココナッツ味のゼリーでした。美味しい!
夕飯はこんなかんじ。ゴイパーという一番右に見切れている魚料理が本当に美味しくて、そればっかりモリモリ食べてしまいました。
そしてゴイパーと一緒に出されたこの肉がまたおいしくて、バクバク、バクバク食べていたら、みんな大笑い。日本人も食べられるんだねって。
なんだよ~~~ワんちゃんなら早く言ってよ~~~~。心の準備してから食べるやんそれなら~~~~。
脂身あっさり、でも甘みもあって、やわらかくて、カンボジアで食べたかちかちの獣臭がする犬とは全然違う味でした。(たまたまあの肉がそうだっただけかもしれません、カンボジアのみなさまごめんなさい)あえて例えるなら、イノシシの柔らかい部分に近いかもしれません。
これで十二支のうち9/12攻略しました。あと龍と虎と猿で制覇なんですが、猿は気持ち的に無理、あと2種類はそもそも食べるチャンスがないので、まあだいたいまんべんなく食べたことにしておこうかなあと思ってます。
そんな私も食べられなかったのがこの料理。
・・・アヒルの生血でございます。
これに砕いたピーナッツやハーブをたっぷりトッピングして、ライムをしぼって、みんな大変美味しそうに召し上がっていました。
「ラオ子!シンめっ!(味見しなっ)」と何度も勧めてもらいましたが、ここで何かあったらマジでシャレにならん・・・と、「お腹いっぱいなの、ありがと~」とお断りして、焼き立ての美味しいアヒル肉ばっかりを頂いて帰りました。赴任すぐのオリエンテーションで「食べないでください」と説明を受けた中に入っていたような・・・そんな料理でした。いつかチャレンジしてみたいな。
まとめ
初サナカーン郡、首都付近では見れないかっこいいメコン川の姿が見られました。たいへん満足です。次は水が増えたあと、雨季に終わりごろに・・・と思ったけど、あの道雨季の終わりに行けるんかなあ。って言ったら、それは首都経由じゃないと無理だよって言われました。だよね。遠回りだけど舗装されてるもんね。
前回の視察は、少しずつ聞きたいことが聞けるようになってきたような、と慢心していたけど、そういえば同行者が少し英語話せる人だったからスムーズにいっていたんだなと、今回別の同僚に同行してもらって気づく。反省。
まだまだ自分でできることは少なくて、だからこそ職場の人たちとうまく関係を作っていくことの重要性に気づかされました。お金のこと(主に出張費とか日当のこと)、同行者のこと、出張に必要な書類のことなどなど、生産者さん訪問に行くたびに毎回毎回、毎回毎回毎回毎回、いろいろいろいろいろいろいろいろ悩まされるけど、うまくやっていかないとあと1年半しんどいだけなのはもう分かり切ったことなので、自分の中でうまく折り合いをつけてやっていくしかないなあと思いました。前の職場で「3大イラち」の一人にノミネートされていた私ですが(笑)、仏の気持ちで穏やかに活動していきたいです・・・。