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天然染色体験@ボリカムサイ県子ども文化センター

さばいでぃー!

クリスマスも終わって、日本の皆さんは、新しい1年を迎える準備をせわしなくされている頃かと思います。旧正月(4月中旬)に重きを置くラオス文化の中では、1月1日のInternational New Yearにはそれほど大きな役割は無いように感じます。

 

私はといいますと、任国外旅行という制度を利用して、カンボジアの元住んでいた地域にプチ里帰り、そしてバンコクへ・・・と、ちょっとした正月休暇を楽しんでくる予定でおります。楽しみです。

 

 

www.laoko.net

 

 

前回の記事で、12月あたりからばたばたと忙しかったと書きました。そのラストとなったのが、今回の「天然染色体験」です。私が直接オーガナイズしたわけではなく、同期隊員・同職種先輩隊員の活動の見学とほんの少しお手伝い、ということで行ってきました!

 

ボリカムサイ県、どこ

 

ボリカムサイ県は、パークサン郡に県都を置く、ビエンチャン市の東がわの県です。ちなみに県の南部はメコン川に沿ってタイと、県の東部はベトナムと面していて、地図を縮小していただくと分かるのですが、メコン川沿い以外は果てしなく山です。

 

 

行きのバスは、大型観光バスぐらいのサイズのバスで、クーラーも効きすぎず、大変快適でした。

 

・・・近くに居た小さな男の子がふんばってしまったあたりから車内の空気が(物理的に)一変しましたが。

 

私の任地からビエンチャン市の南バスターミナルまでは、乗り合いタクシーで1時間半から2時間半ほど。途中でお客さんや荷物を拾う約束をしていたり、乗客が少ないので途中で待ったりするドライバーに当たると、そこそこ時間がかかります。

 

南バスターミナルでボリカムサイ県の県都パクサン行きのバスに乗り換えますが、今回私が乘ったのはサワンナケートという更に南部まで行くバスでした。パクセ―行きやアタプー行きも結局同じ道を通るので、パクサンに行きたいということだけ伝えたらちゃんと案内してくれます。

 

www.trekkingcentrallaos.com

 

ボリカムサイへの道中、左手にはずっとプーカオクワイ(牛の角の山)という山が見えます。ビエンチャン市、ビエンチャン県、ボリカムサイ県の3県にまたがる大きな山で、ラオスに約20ある国立公園のうちのひとつとして、主にヨーロッパ諸国によってエコツーリズムの開発や周辺地域コミュニティの開発援助が行われています。

 

 

パクサンのバス乗り場は、街で一番大きな市場に併設しています。というか、全焼した市場のがれきが綺麗さっぱり撤去され新しいバス乗り場になったのがつい1、2カ月前の話。

 

ビエンチャンの南バスターミナルからパクサンのバス乗り場まで、途中で人を拾ったりトイレ休憩をはさんだりしながら、だいたい3時間ほどで到着しました。

 

はじめまして、ボリカムサイ県!

 

子ども文化センター 

 

ラオス国内の各県にある「子ども文化センター」は、ラオ語では「ສູນວັດທະນະທຳເດັກ(スン=センター、 ワッタナタム=文化 デック=子ども)」と言います。話すときは長いのでそれぞれの頭文字を取って「ສວດ(そーうぉーどー)」と略すこともあります。

 

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ラオスでは現在、私の同期隊員3名が各地の子ども文化センターに派遣されており、見学させてもらうのはこれで2か所目です。 

 

www.laoko.net

 

今回は、ボリカムサイ県子ども文化センターに配属されている同期と、私と同職種でボリカムサイ県産業商業局に配属されている先輩隊員の コラボ企画ということで、子ども文化センターの子どもたちの天然染色体験を見学させてもらいました。

 

天然染色体験当日

この日の主役が実はもう一人。それは、コミュニティ開発隊員の先輩と仲良しの生産者さん。うあいチャップ(チャップお姉さん)という、県都からベトナムへの幹線道路沿いにあるLAK20からこの日の為にやってきてくれました。先ほど貼り付けたブログ記事、Handicraft Festivalのときに私たちのブースの裏に出店されていて、9日間のHCF期間とてもとてもお世話になった方です。

 

さて、まずはウアイチャップと先輩隊員が、スライドを使って子どもたちに「ボリカムサイ県の伝統工芸」について説明。ボリカムサイ県にはどんな特産品があるのか、天然染色とは何か、どのようにするのか等、子どもたちは皆真剣に聞いていました。

 

 

お話の後は、実際に染色につかう液を作っていきます。

 

これは錆びた釘と酢を煮ているところ。これを濾したら、「鉄媒染液」というものができあがります。染料の発色を高めたり、色落ちを防止したりする効果があります。ミョウバンと同じような役割ですね。

 

 

この日うあいが用意してくれた材料は、ウコン(ターメリック)、花梨の木の幹、ドークガラオの3つ。ウコンは黄色、花梨は鳶色のようなあずき色のような、そしてドークガラオは淡い黒の染料になります。

 

「ドークガラオ」ですが、Googleで画像検索したところ、おそらく百日紅かそれに似た植物のような気がします。

 

 

花梨とドークガラオはそのまま木の幹を煮出して、ターメリックは丁寧に皮を取り除いたあと輪切りにしていきます。

 

洗うのを手伝ってくれた皆も、この量をひたすら切ってくれた先生も、手が真っ黄色!ちょっとお腹がすくようなスパイシーな香りが漂います。

 

 

そしてそれらを水と共に火にかけ、時間をかけて煮出していきます。

 

最初に用意されていた七輪では火が弱かったようで・・・

 

 

そこらに転がっていた瓦礫を積んで即席の釜ができあがりました。火も炭ではなく、生木をくべて火力をあげました。子どもも火の調節を自然に手伝ってくれて、ラオスの人たちの小慣れ感に拍手。

 

その後、七輪に残った火で私たちのお昼ご飯ができあがりました。心から、拍手。

 

 

ただ真っ白な布を染めるだけでは面白くない!というわけで、輪ゴムでくくって、模様をつけます。

 

みんな思い思いに括ったら、衣類用の洗剤を溶いた水に浸して色が入りやすいようにしておきます。

 

 

しばらく経ったら、ゴムで括ったまま流水でよく洗って、天日に干します。

 

その後は、各々好きな色の鍋に浸して真っ白な布に色を入れ、明礬水ですすいで色を定着させます。

 

 

下の写真、左から順に、ドークガラオ、花梨、そしてターメリック。どれも、やさしくて、あたたかい色。私はこの花梨の色を勝手に「シーウアイチャップ(うあいチャップの色)」って呼んでました。

 

私も何度か染めてみましたが、ただ1回どぼんと漬けると淡くて優しいピンク、漬けては空気にあて、を何度も何度も繰り返すうちに、深みのあるあたたかな茶色に色を変えていきました。おもしろい。

 

その後、絣と同じように、括っては染め、括っては染め、白・黄色・茶色・黒の4色の布を作って遊びました。好奇心旺盛な子どもたち、私の真似をしたり、括った一部だけを染めて、染まっていない部分は別の染料につけて、みんな思い思いの色に染めて遊んでいました。

 

 

白シャツ持ってきて染めてもらったらよかったな~と皆で話していたときに、あっ!と思い出しました。私のカバンの中に、ハンディクラフトフェスのときにウドムサイの生産者さんからいただいたコットンのハンカチがあることに。

 

迷わず、花梨の染料にドボン。

 

 

そしてー・・・こうなりました。

 

ウドムサイ県とボリカムサイ県のコラボレーション。素敵な色に染まって満足です。

 

note.com

 

先日帰国された先輩隊員は、ひとりで何かするよりも個々の強みを活かして大きなことをやる、という事を有言実行されていた方だったのですが、まさにこういう活動がそれなのだろうなあと思いました。

 

任地に居るとどうしても生活することがメインになってしまって、大きく何かを動かすことができない。そのことに対してのフラストレーションは正直、とても大きいです。私もチャンスを作って、誰かと掛け算で活動していきたいな。

 

ボリカム、いいとこ!

 

ボリカムサイ、観光都市でも商業都市でもないけれど、ビエンチャンと、ラオス南部・ベトナムを結ぶ幹線道路沿いに栄えつつある「ラオ人のための街」という感じがしてとても落ち着く場所でした。

 

 

雄大なメコン川の流れを、ぼーーーーんやり見ながら、良い活動だったね、また来たいなぁー、次はうあいチャップを訪ねてLak20に行こうよ、なんて話す時間もまた、良い旅の思い出になりました。

 

 

そして帰りは、この街発ビエンチャン市着のバスに乗って、また来た道を3時間ほどがたがた。このサイズのバスだと3万KIPで行けます。ラオス、陸路が鬼安い・・・(ただし安全とは言っていない)

 

 

ドアも窓も全開のオープンエアー式で、風にあたり続けてそこそこ疲れましたが、ボリカムサイはまた是非訪れたい場所のひとつになりました。

 

2年かけて生産者さんと素敵な関係を築いた先輩隊員、子どもたちと自然体で遊ぶ同期の普段の姿が見られて本当に良かったです。

 

皆ありがとう☺

 

追記:同期隊員がブログはじめました!!

bolisuke.hatenablog.com

 

CCCで活動する同期隊員がブログをはじめました!!仲間が増えて嬉しい!

 

ラオスのラオ子と、ボリカムサイのボリすけで頑張ります!!