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突撃コミュニティ開発①スペシャルワンオペばあちゃん

さばいでぃー!

 

普段使いできるシンが2枚しかないので、

シン屋さんに行きました。

美しいサムヌアのシンに心がときめきましたが

420,000KIP(=約5500円)と言われて断念。

 

のちに職場でその話をしたら

「サムヌアのシンはもともと高級だけど、42万は高すぎる!

日本人だから高く言われてるのよ!

今度一緒にシン見に行きましょうね」と。

近々職場の人たちと、ビエンチャン県のシンとサムヌアのシンを

探す旅に出たいと思います。ヤッター!

その言葉待ってたー!笑

 

 

そのお店には色んな種類・価格帯のシンがあり、

機械織りと思われるシンの中に、

ハイブランド感漂うものも見つけました。

伝統はこういう感じで進化していくんですね。

 

突撃コミュニティ開発

 

がっつり活動を始められるのはもう少し先になりそう。

JICAの規定で、バイクに乗れるのは認知の交通事情に慣れてからなので

まだ自分であちこち行くことができません。

あと2か月半・・・長いな~。

 

毎日職場に行って色んな人と話して、

ODOP商品の情報を仕入れたり、

どんな風にODOPを認知しているのかを探りつつ、

誰がどんなことを助けてくれるかも様子見つつ、

何かしたそうにもぞもぞするのが

今の自分の主な仕事(だと思っています)。 

 

とはいえ、何かしたくてうずうずしているのも確か。

市場に行って端から端まで見て回りたい。

いろんな市場や生産者さんのところに行きたい。

 

そういう気持ちも少しずつ色んな人に話していって

「それは〇〇さんに言えばいいよー!」

「今度連れてってあげるよー!」

の言葉が聴けるようになってきた。

焦らない、焦らない!

 

 

 

と・・・いいつつ、

私のお散歩コースの途中にあるずっと近所のシンプルな機織り機が

ずっと気になっていて

前を通るたびにチラチラ・・・チラチラ・・・。

 

 

 

いつも機織り機には布がかかっていて、

おばあちゃんが作業している所は何回かしか見たことがありません。

 

機織りの作業をしているときは、

とても緻密な作業だし話しかけられたら嫌かな~と思って

躊躇してしまいなかなか機会を得られず。

 

今日は機織り機の手前で糸巻きの作業中。

よし!生産者さん視察のつもりで行ってやれ!と

コミュニティ開発という名の突撃お宅訪問してきました。

 

スペシャルワンオペばあちゃん 

 

 

おばあちゃんがゆっくりゆっくり引いているのは

自分で育てた蚕を自分で染めたという糸。

 

藍って何て言うんだっけ・・・。

 

藍、出てこないなぁ・・・。

 

苦し紛れに「自然の色ですか?」と聞いて

 

「もちろんそうだよ」と答えがかえってきました。

 

 

本来人の手で作られていたものが

機械に委ねられるようになったことすら

すっかり忘れてしまうような、美しくて緻密な模様。

 

これはシンの裾の部分です。

この上に同じような色の無地の布を継ぎ足してシンになるものもあれば、

もっともっと広い機織り機で全部一緒に織られることもあります。 

 

 

シンは地方によって織り方や模様も様々。

 

「シン・コー」はこのような「浮織」のことを言います。

一見刺繍のようにも見えますが、これは全く別物。

緯糸を一本一本通すたびに、経糸に色とりどりのシルクの糸や金糸を

くくりつけて出来る模様なのです。

 

「シン・ミー」という別の織りかたは、

日本語では「絣」と言われています。

「シン・ムック」は紋織。

まだまだ知らない種類もありそうです。

 

この地域ではシン・ミーではなくシン・コーが盛んなようです。

 

 

 

「どれぐらいで1枚出来るの?」

 

「急いだら5日ぐらい。でも急いでないから少しずつやってるよ」

 

「いつから機織りやってるの?」

 

「さぁ・・・忘れちゃった!」

 

二人でアハハと笑ったけど、 

 いつ機織りを始めたか覚えていなくても、

この職人の手はこの素敵なシンの織り方を一生忘れない。

蚕を育てて、糸にして、自然の藍で染めて、

模様をひとつひとつ括っていくことを

きっと遺伝子レベルで覚えているんだろうなあ。

 

 

ワンオペでここまでやってしまうばあちゃん。

最後に、「どうやってそんなに細かい仕事ずっと続けられるの?」

と質問してみました。

 

答えは「ゆっくり、ちょっとずつ、やりたいときにやるんだよ」

 

私もその気持ちをお手本に、2年間を、ゆっくり、ちょっとずつ、

丁寧に過ごしたいと思いました。

おばあちゃん、ありがとうございました。お邪魔しました!

 

おまけ

 

www.laoko.net

 

どこもお店が閉まっていて食糧難を迎えていたラオ子でしたが、

3連休が明けて市場にいつもの活気が戻っていて

とてもとても幸せな気持ちになりました。

 

 

おやつ屋のおばちゃんに

「3連休おやつ食べられなくて寂しかったよ」って言ったら

揚げたてのタロイモのフライをトングでつまんでひとつくれました。

 

あのさ、おばちゃん、あつい。あっっっつい。

熱すぎて写真撮るのも忘れました。

 

 

 

その後、甘いもの屋のおばちゃんに

「ビエンチャン県で採れるいちごだよ!」と言われて

10000KIP(=130円ぐらい)で購入。

 

日本のものより種の主張が強いけれど、甘みが強くて美味しい。

自然のいちご は

 

小粒で、不揃いで、色もいろいろ、

それで全然「ぼーぺんにゃん(大丈夫)」なんだよな。

日本の、化粧箱に美しく並べられたイチゴは美味しいけど

この野性味あふれる無骨なイチゴたちも全然負けてない。

 

 

カオチーパテー(サンドイッチ)屋のおばちゃんに

1つ頂戴!って言ったら

「今日はパンが無くなっちゃった!ごめんね!」と

蒸し器からひょいっと摘まんだ肉まんを

私の手のひらに乗せてくれた。

 

だから、あの、熱い・・・熱いんや・・・

今日はそういう日なんでしょうか。

 

 

1つ1000KIP(=13円)と書いてあったので

「美味しかったからもう一つください!」と2000KIP札を出しました。

そうしたら、「最初の1つはお金いらないよ!」と

さらに2つくれました。

おばちゃん、こーぷちゃいらいらーい!(ありがとう !!)

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Houey Hong職業訓練センター

サバイディー!

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みんなは任地に旅立ったけど

まだ首都ビエンチャンに居ます、

2018年度3次隊のラオスのラオ子です。

 

 

2月28日、朝から同期隊員が旅立つのを見送って

悲しみのブログを更新したあと、

首都ビエンチャンで活動する同期隊員に同行して

Houey Hong(ホアイホン)職業訓練センターを

視察させていただきました。

 

Houey Hong職業訓練センターとは

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首都ビエンチャンの市内から、北へ車で20分程の場所にある

Houey Hong職業訓練センターは、

ASCW(女性とラオスの子ども支援会)と

APJW(ラオス女性のための雇用協会)の支援を受け、

1998年に創立された施設です。

1999年から2001年にはJICAが助成金を提供しましたが、

協力隊が派遣されるのは今回初めてとのこと。

私は地方隊員ですが、ここで活動する同期隊員とは

デザインの助言などで2年間お世話になるので

創始者のChanthasoneさんへのご挨拶も兼ねて

センター内を見学させていただきました。

 

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赤土の道をがたがたと暫く走ると、森の中に拓けた場所が。

奥のほうからトントンと聞こえてくる機織りの心地いい音に

胸が高鳴りました。

 

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実際にホアイホンで作られた布の展示販売スペースがあります。

どうですか、この美しい色。そして柄。

もーーーーーーーーー本当に素敵!!

いつか、絹織りのシンを誂えたいです。

私の語彙力とカメラの技術では伝えきれないので

ぜひ実物を見て頂きたいです。

自然のもので染めた手織りの布って

こんなにも優しい風合いになるんですね。

ずっと見ていたくなる素敵なシンばかりでした。

 

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日本では明治時代にインディゴの輸入に頼るようになり

天然の藍染の技術が途絶えかけましたが、

今ではいくつかの県で無形文化財に指定されその伝統を守っています。

 

ここホアイホンにあるのも、もちろん天然の藍。

敷地内で取れるタデを丁寧に世話して

このような染液を作るそうです。

幼いころ京都で一度藍染の見学をさせていただいたときは

もっと独特の発酵臭がしたように思いましたが

この染液はそれほど匂いはしません。

原材料、作り方、何か違いがあるんでしょうか。

まだまだ勉強が必要です。

 

 

 

ラック、マリーゴールド、紅の木、ジャックフルーツ、黒檀、

マホガニー、玉ねぎ、マンゴスチンなどなど、

自然由来の染料はたくさんあります。

 

大好きな赤は”ラックカイガラムシ”から。

なんと、私が赴任するビエンチャン県から買い付けているそうです。

ますます胸が高鳴る。

 

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右が、ラックカイガラムシで作られた染液。

まるで鮮血のような鮮やかな赤。 

左はマリーゴールド。美しいアイボリーに染まります。

 

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染めあげた糸は職人さんの手で1本1本経糸に通され、

1枚の布になっていきます。

刺繍がしてあるように見える柄は、

1本緯糸を通すたびに手で括っています。

気の遠くなるような作業をひたすら繰り返し

美しいシンが生まれるのです。

このパターンだと1日に織れるのは20cm。

それでも価格は、数千~数万円です。

こっちの物価に慣れてしまうと高く感じますが

手作業で織られた布がこの価格で買えるのは

まだまだ物価・人件費が安いラオスだからこそですね。

 

ちなみにこの織り手さんはフアパン県のご出身。

フアパン県サムヌアの織物は、市場でも高い値が付きます。

それほど細かく美しいパターンが織られているということ。

私もいつかサムヌアに行ってお気に入りの1枚を見つけたいです。

 

f:id:candyman0618:20190228161557j:plainこちらは経糸に糸を括るだけでなく

緯糸自体に絣の模様が入ったシンです。

緯糸が少しでもずれてしまったら絣の柄は出ません。

絣は地方によって入っていたり、いなかったり。

ボリカムサイの先輩隊員が履いているシンの絣がとても綺麗で

いつも可愛いな~~~と思いながら眺めてます。

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ラックの赤をベースに織られたシンがこちら。

だいたいのシンは、裾の部分にこういったパターンがくるように織られます。

ひっかけてしまうと括った糸が出てしまうので、

本当に良いシンは着ずに飾るんだと語学の先生が仰っていました。

私だったらこんなきれいなシンは着れないなあ・・・。

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学校に通う子供たちの制服から、銀行員さん、先生、結婚式の衣装まで、

シンはラオスの伝統衣装であり、普段着でもあり、そして正装でもあります。

地方によって柄も織り方も異なるこの不思議で魅力的な布、

ぜひラオスに来たらタラート(市場)で手に取っていただきたいです。

 

 

ホアイホン職業訓練センターはもともと

女性の経済的自立を援助するために作られた施設ではありますが、

国の文化や伝統を守り受け継ぐことにも繋がっている

とても素敵な場所でした。 

これから2年間お世話になります。

よろしくお願いいたします!

 

Houey Hong職業訓練センター

www.houeyhongvientiane.com

 

 

隊員・友達リンク集

www.laoko.net