サバイディー!
みんなは任地に旅立ったけど
まだ首都ビエンチャンに居ます、
2018年度3次隊のラオスのラオ子です。
2月28日、朝から同期隊員が旅立つのを見送って
悲しみのブログを更新したあと、
首都ビエンチャンで活動する同期隊員に同行して
Houey Hong(ホアイホン)職業訓練センターを
視察させていただきました。
Houey Hong職業訓練センターとは
首都ビエンチャンの市内から、北へ車で20分程の場所にある
Houey Hong職業訓練センターは、
ASCW(女性とラオスの子ども支援会)と
APJW(ラオス女性のための雇用協会)の支援を受け、
1998年に創立された施設です。
1999年から2001年にはJICAが助成金を提供しましたが、
協力隊が派遣されるのは今回初めてとのこと。
私は地方隊員ですが、ここで活動する同期隊員とは
デザインの助言などで2年間お世話になるので
創始者のChanthasoneさんへのご挨拶も兼ねて
センター内を見学させていただきました。
赤土の道をがたがたと暫く走ると、森の中に拓けた場所が。
奥のほうからトントンと聞こえてくる機織りの心地いい音に
胸が高鳴りました。
実際にホアイホンで作られた布の展示販売スペースがあります。
どうですか、この美しい色。そして柄。
もーーーーーーーーー本当に素敵!!
いつか、絹織りのシンを誂えたいです。
私の語彙力とカメラの技術では伝えきれないので
ぜひ実物を見て頂きたいです。
自然のもので染めた手織りの布って
こんなにも優しい風合いになるんですね。
ずっと見ていたくなる素敵なシンばかりでした。
日本では明治時代にインディゴの輸入に頼るようになり
天然の藍染の技術が途絶えかけましたが、
今ではいくつかの県で無形文化財に指定されその伝統を守っています。
ここホアイホンにあるのも、もちろん天然の藍。
敷地内で取れるタデを丁寧に世話して
このような染液を作るそうです。
幼いころ京都で一度藍染の見学をさせていただいたときは
もっと独特の発酵臭がしたように思いましたが
この染液はそれほど匂いはしません。
原材料、作り方、何か違いがあるんでしょうか。
まだまだ勉強が必要です。
ラック、マリーゴールド、紅の木、ジャックフルーツ、黒檀、
マホガニー、玉ねぎ、マンゴスチンなどなど、
自然由来の染料はたくさんあります。
大好きな赤は”ラックカイガラムシ”から。
なんと、私が赴任するビエンチャン県から買い付けているそうです。
ますます胸が高鳴る。
右が、ラックカイガラムシで作られた染液。
まるで鮮血のような鮮やかな赤。
左はマリーゴールド。美しいアイボリーに染まります。
染めあげた糸は職人さんの手で1本1本経糸に通され、
1枚の布になっていきます。
刺繍がしてあるように見える柄は、
1本緯糸を通すたびに手で括っています。
気の遠くなるような作業をひたすら繰り返し
美しいシンが生まれるのです。
このパターンだと1日に織れるのは20cm。
それでも価格は、数千~数万円です。
こっちの物価に慣れてしまうと高く感じますが
手作業で織られた布がこの価格で買えるのは
まだまだ物価・人件費が安いラオスだからこそですね。
ちなみにこの織り手さんはフアパン県のご出身。
フアパン県サムヌアの織物は、市場でも高い値が付きます。
それほど細かく美しいパターンが織られているということ。
私もいつかサムヌアに行ってお気に入りの1枚を見つけたいです。
こちらは経糸に糸を括るだけでなく
緯糸自体に絣の模様が入ったシンです。
緯糸が少しでもずれてしまったら絣の柄は出ません。
絣は地方によって入っていたり、いなかったり。
ボリカムサイの先輩隊員が履いているシンの絣がとても綺麗で
いつも可愛いな~~~と思いながら眺めてます。
ラックの赤をベースに織られたシンがこちら。
だいたいのシンは、裾の部分にこういったパターンがくるように織られます。
ひっかけてしまうと括った糸が出てしまうので、
本当に良いシンは着ずに飾るんだと語学の先生が仰っていました。
私だったらこんなきれいなシンは着れないなあ・・・。
学校に通う子供たちの制服から、銀行員さん、先生、結婚式の衣装まで、
シンはラオスの伝統衣装であり、普段着でもあり、そして正装でもあります。
地方によって柄も織り方も異なるこの不思議で魅力的な布、
ぜひラオスに来たらタラート(市場)で手に取っていただきたいです。
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ホアイホン職業訓練センターはもともと
女性の経済的自立を援助するために作られた施設ではありますが、
国の文化や伝統を守り受け継ぐことにも繋がっている
とても素敵な場所でした。
これから2年間お世話になります。
よろしくお願いいたします!
Houey Hong職業訓練センター